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幻想遊園地~始まりの物語~ 《第4話 夢から現へ》

 

エディア「・・・ぐっ・・・うぅ・・・あ、れ・・・?」

エディアN「重い体を持ち上げた私。体が焼けるように熱く」

 

エディア「・・・ない?え、なんで!?てか生きてる!!!!・・・!!み、皆!ねぇおきて皆!!

     ティーパ!いつもの真顔で起き上がってくるんでしょ?ねぇ!
     スター!リリカ!!うるさく起き上がりなさいよ!フィール!!おどけた顔でなにか冗談言ってみなさいよぉ!!

     うぅ・・・メイリア!メリー!!・・・
     イル・・・?ねえイル・・・?どこにいるの・・・?なんで・・・なんで・・・?う・・・うわぁぁぁぁぁむぐっ」

 

イル「エディアうるさいんだけど!」

 

エディア「え?あ!い、イルが生きてる!!!!」

 

イル「なんであんたが生きてるのに私が死んでることになるのよ。勝手に殺すな」

 

エディア「だ、だって皆びくともしないから・・・」

 

イル「大丈夫だよ、皆意識無いだけだから」

 

エディア「そ、そうなの?」

 

イル「ま、死んでるかもしれないけど」

 

エディア「そんなこと言わないでよ馬鹿イル!!!!!」

 

イル「・・・はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・。もう、泣かないでよ。お姉ちゃん・・・。ホント、情けないんだから」

 

エディア「だって・・・ひっく・・・だって皆がっ・・・ひっく・・・」

 

イル「普通立場逆だろ・・・これ・・・。・・・。大丈夫お姉ちゃん。大丈夫だから。独りじゃないよ。私がいる。

   だから、泣かないで?」

 

エディア「ひっく・・・うん・・・ひっく・・・」

 

イル「はぁ・・・お願いだから皆が起きるまでには落ち着いてよね。できるだけこういうところ見られたくないんだから」

 

エディア「ひっく・・・ふっ・・・ふー・・・。そ、そうだよね。

     イル、昔からすごく優しいのにいっつもつっぱってるっていうか・・・」

 

イル「つっぱってるって何よ。そういうお姉ちゃんは双子で年齢一緒の癖にお姉ちゃんって呼ぶのよ!イル!

   あなたは私のかわいい妹なんだから!なーんていっちゃってさー」

 

エディア「だってそうじゃない!今でもイルは私にとって大事なかわいい妹なのよ?」

 

イル「うるせぇ黙ってお願いだから」

 

エディア「ふふっ素直じゃないなぁ?」

 

イル「エディアあんたねぇ!!!!」

 

フィール「うっうううーん・・・あ、あれ?体・・・あるわ。触れる・・・」

 

エディア・イル「フィール!!」

 

フィーラ「ん?あぁ、イル、エディア。二人とももう起きてたのか。早いね」

 

フィーラM「ホントはイルのうるせぇで目が覚めてたんだけど」

エディア「さっきまで昼寝してたみたいな感じでいうな!!!」

フィーラ「あははっ!ごめんごめん!つい、ね?・・・ってい、イル?どうした?なんかすごく怖いんだけど・・・?

     な、なんか俺悪いことしたかな・・・」

 

イル「・・・別に」

 

フィーラ「・・・えっと。いや。なんか、ごめん・・・。えっと、イル・・・?」

 

イル「別にって言ってるジャン!アホ!」

 

エディア「イル!少しは素直になりなさい!」

 

イル「私は素直だわがままな子だ!!!!!」

 

エディア「素直とわがままは違う!!」

フィーラ「・・・。イル、なにか思ってることがあるならちゃんと言って。

     僕は君がなにか抱え込んでるのを見てるだけとか嫌だって、こくったときに言ったはずだよ」

 

イル「・・・はぁ?別にかかえこんでるものなんか・・・」

 

エディア「この馬鹿フィールが」

 

フィーラ「・・・え?」

 

イル「・・・!エディアあんた・・・」

 

エディア「どんだけ心配したかわかってんの!?」

 

フィーラ「え・・・」

 

イル「・・・やめて・・・」

 

エディア「私だって本当は・・・」

 

イル「あああああああもう!!!!わかった!!!わかったわよ!自分で言うよ!!!!!・・・人に代弁されるのは嫌いだ・・・」

 

フィーラ「えっと・・・ごめん・・・よくわかんな・・・」

 

イル「フィーラ!!!!」

 

フィーラ「は、はいぃ!?」

 

イル「・・・。起きなかったらどうしようって・・・思った」

 

フィーラ「・・・うん」

 

イル「私だって、ほら・・・一応心配は・・・するわけで」

 

フィーラ「・・・うん」

 

イル「・・・なんですぐに起きてくれなかったのよ・・・」

 

フィーラ「・・・ごめん」

 

イル「・・・私の性格、わかってるでしょ」

 

フィーラ「・・・うん」

 

イル「・・・怖かった・・・」

 

フィーラ「・・・ごめん」

 

イル「・・・馬鹿・・・馬鹿馬鹿馬鹿ぁ!!!!!!」

 

フィーラ「・・・ごめん。ごめんな。心配かけて。ホントに・・・ごめん」

 

イル「・・・別に、もう、いいよ。いいから、その・・・離して・・・」

 

フィーラ「あ・・・ご、ごめんんんん・・・」

 

スター「ひゅーーーーーー!!!おあついこって!!!!」

 

フィール・イル「!?!?」

 

リリカ「なになに!?愛を確かめ合っちゃってるわけ!?」

 

ティーパM「なんで皆生きていることに疑問を持たないんだろう」

 

メイリア「メリー・・・大丈夫かい?」

 

メリー「わ・・・私生きてるの・・・?メイリア・・・」

 

メイリア「うん。生きてる。僕らは生きてるよ」

 

メリー「うう・・・メイリアぁぁ!!」

 

メイリア「大丈夫。大丈夫だよ。メリー」

 

エディア「こっちもおあついわね!!」

 

フィール「いつから起きてたんだよ」

 

リリカ「うーんと、フィーラがごめんて言いながらイルを抱きしめたところから!!!!」

 

スター「俺もそんくらいだったな!ちくしょー、一番に起きれなかったぜ・・・」

 

ティーパ「僕、フィーラがイルに惚れた理由、わかったかも」

 

フィーラ「だろぉ!?・・・あ、だけどイルは俺のものだからね。取ったらいくらティーパでも・・・容赦しないよ?」

 

ティーパ「・・・それもそれでおもしろそうかもね」

 

フィーラ「・・・」

 

イル「あ、皆!!遊園地の電気、つくみたいだよ!」

 

スター「のんきだなお前は!!!!お前のことで揉めてんのに!!!」

 

イル「知らないよ。勝手にやってればいいじゃん」

 

ティーパ「もちろん嘘だよ、言ってみただけ。というより、さっきの紹介の時の仕返し?的なね」

 

フィーラ「・・・。そうだよねぇ~!いやぁ、俺ってばいつもイルのことになると先走っちゃうんだよね~」

 

エディア「もう!驚かせないでよ!ホントに心配したじゃない!」

 

リリカ「私的にはもっと修羅場を味わいたかったけどなぁ!!」

 

メイリア「そういうこというもんじゃないぞリリカ」

 

メリー「そ、そうだよ!リリカ!」

 

リリカ「はいはい。わかりましたよーだ」

 

エディア「ていうかイル!勝手に動かしちゃダメでしょ!管理人さんに怒られるわよ?」

 

イル「その心配はないよ。ここの遊園地、誰もいないみたいだから」

 

一同「・・・え?」

 

イル「・・・気づいた?私たちは、本当に支配人と案内人になったんだよ。もちろん死んでるわけじゃない。

   血は流れてるみたいだからね。ようするに・・・」

 

メイリア「ここからもう、逃げることはできないわけか・・・」

 

イル「ご明察~。さすがメイリア!」

 

メリー「え、じゃあ・・・」

 

スター「俺ら本当に!!!よっしゃあああああ!!!!」

 

フィーラ「イル、今気づいたけどその足どうしたの」

 

イル「たいしたことじゃないよ。平気」

 

リリカ「ねぇねぇ!さっそく行って見ない!?それぞれのところ!!」

 

エディア「え?」

 

スター「そうだよな!!やっぱ実際にみにいかねぇと!!自分たちが支配人なんだから!!」

 

ティーパ「そうだね」

 

メイリア「よし!じゃあやるか!!僕らの幻想遊園地を!」

 

一同「おー!!!」

 

エディアN「それから私たちは、自分たちの場所の動作を確認し、サーカスでの出し物の練習をした。

      やったこともないのに怖いくらいすんなりとできる。
      まるでもとからそうやることが決まっていたかのように。誰もいない遊園地で、誰も来ない遊園地で、

      いつまでも楽しく私たちで遊園地をやっていられる。幸せだった。家にいるときなんかより、ずっと。
      だけど、幸せって、そう長く続くものじゃない。崩壊はあっけなかった。私と同じように」

 

スター「おいエディア、本当に大丈夫なんだろうなぁ?」

 

エディア「いつもできてるんだから大丈夫に決まってるでしょ!」

 

メリー「で、でも今日はなんか装置がちょっと変だよ・・・?本当に大丈夫・・・?」

 

エディア「平気よ!よい・・・しょ!・・・!?・・・!!!!!!!!ごっ・・・ごふっ・・・」

 

メリー「エディア?エディア!!!!ねぇエディア!!!!しっかりして!!!!エディア!!!」

 

メイリア「水からださないと!!!!」

 

リリカ「ダメ!緊急用のボタンが作動しない!!」

 

フィーラ「こっちも!!ふたがロックがかかってあきそうにない!!」

イル「エディア・・・!!!嫌だよ、死ぬな・・・!!!エディア!!!」

スター「ダメだ!!!強度から計算して、このガラスが壊れる威力はバズーカくらい!爆弾ねぇか!?」

リリカ「あるわけないじゃない!!」

 

スター「くそっ・・・!!!壊れろよ・・・くそがぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!」

 

メリー「!!!エ、エディアの・・・体が・・・!!!」

 

メイリア「・・・消えた」

 

メリー「いっ・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああ!!!!」

イル「エディア・・・エディ・・・おねえ・・・ちゃん・・・いやああああああああ!!!

   お姉ちゃんを・・・お姉ちゃんを返して!!!!返せよくそっ!!くそがああああ!!!!

   返せよ・・・返してよ・・・おねえちゃん・・・」

 

~~~***~~~

 

スターN「あれから何日がたっただろうか。俺らは、すっかり気力がなくなっていた。少しずつ、間違った方向へ進んでいった。

     一番変わったのはメイリアとイルだった。
     メイリアは自分のせいだと思い込み、どんどんおかしな思考へといってしまった。

     イルは、まさにピエロになった。感情なんてもう欠片も残っていなかった。
     そんなイルを見てフィーラは時々とてつもなくつらい顔をし、メリーは泣き出してしまう。

     ティーパと俺は、どうすることもできなかった」

 

メイリア「さぁ皆さん!開園時間ですよ?準備はできてます?安全チェックは?いつでもお客様を迎える準備をしてくださいね?

     いいですか?本日のお客様は残念ながら0人」

 

イル「いーつも来ないけどねぇ?」

 

メイリア「イル、いけませんねぇ。そんなことを言っちゃあ。皆さん、開園時間です。今日も一日楽しみましょう!それでは・・・」

 

全員「Let's Wonder Land」

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