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《Episode 3 狭間》

 

亮「だから、死んだ奴は動かないんだ。何度言えばわかるんだ…」

 

優華「…でも、自己紹介する前に、亞結は皆の名前を知っていた…唯愛の呼び方を…」

 

咲「…そ、そうだよ…彼女は…私たちに復讐しに来たんだ…!!!」

 

香奈恵「う…うわぁぁぁ!!!!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!ごめん!!!ごめん唯愛!!!!!だから…だからっ!!!!」

 

晴「かな!落ち着け!!」

 

亮「香奈恵、少しは冷静になれ。ありえるわけがないだろう」

 

静「…でも、俺も最初に呼ばれたのが『しず』じゃなくて『せいくん』だった…」

 

晴「…でもほら、皆一緒にいればきっと、復讐だとしても太刀打ちできるよ…」

 

亮「それはどうだろうな。この学校は1クラス20人」

 

咲「あと12人は人がいる…復讐されてもおかしくないのよ…!今までみたいに・・・!!!」

 

雄弥「でも!俺らは裏切らないだろ?」

 

咲「唯愛ちゃん裏切っといてよくいえるわね…雄弥」

 

雄弥「そ、それは…!」

 

晴「…僕らだって、好きで裏切ったわけじゃないだろう?」

 

亮「精神的に追い詰められて、自分より下のものをいじめた。それが理由だ」

 

香奈恵「だって…仕方ないじゃない!もう、遅いのよ…」

 

静「ごちゃごちゃ言ってても仕方ねぇだろ!!!」

 

優華「確かに私たちは唯愛を…殺したよ。それは間違いなく事実」

 

香奈恵「だからって!!私たちがいじめられる理由にならないじゃない!」

 

優華「だったら!!!私たちがつらいからという理由でいじめにあってた唯愛はどうなんの!

   唯愛は裏切られた!しかも一番信用していた仲間たちに!

   でも唯愛はどんなに辛くても私たちから離れなかったし嫌な顔もしなかった!

   グループにもクラスにも委員会にも部活にも家にも居場所なかったんだよ!!!

   知ったうえで私たちは唯愛をいじめてた!わかってる!?ねぇ!!!」

 

静「何偽善者ぶってんだよ優華!!!お前も一緒だろうがよ!!!」

 

優華「あぁそうだよ!一緒だよ!でも、偽善者ぶってるわけじゃない!」

 

雄弥「じゃあなんだっていうんだよ!!!どうすればよかったんだよ!!!無理だろ!あの場面で、あの状況で、

   そうするしかなかったからああなった!それは一番わかってるはずだろ優華!!!」

 

優華「わかってるよ!!!!…だからこそ…謝りたかった…」

 

PC「今年もワラワラ動画の超会議がまた開催されることとなりましたぁ!!こうご期待!!!!!…ニャロメが、1月1日のお昼をお知らせします。

  ポッポッポ、ニャロメ―!!!!!!」

 

全員「…」

 

咲「…がん…たん…?」

 

晴「どうなってる…」

 

香奈恵「い、今、1月1日って…」

 

亮「…なぁ雄弥、僕らがここで会ってから、何日がすぎた?」

 

雄弥「え?えっと…丁度、1週間…」

 

優華「ちょ、ちょっと待って!元旦って普通冬休みだよね…」

 

亮「じゃあさ、24日の記憶って、皆あるか?」

 

静「…24日?また急になんで…」

 

亮「いいから答えろ」

 

咲「…わ、私は電車で隣町のアニメイトに行ったよ…?んで帰ってきて…ん?帰って…あれ…?」

 

静「お、俺も…バイトに行って、作業した後が…」

 

晴「僕も…弟たちが遊びにいってる間に夕飯の準備をしたあとが思い出せない…」

 

優華「…海に行って…えっと…」

 

亮「…やっぱり皆、その日の記憶が曖昧なんだな」

 

咲「でも私!アニメイトでクリスマス限定コラボ商品買に行ったんだよ!?日付を間違うわけ…」

 

優華「もしかして…夢?」

 

香奈恵「…」

 

雄弥「!?痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!!ガチで!!!ねぇ香奈恵!!!!!」

 

晴「かな!これ以上はやめなさい!!!」

 

静「夢じゃない…みたいだな」

 

亮「もっとマシな確認の仕方はなかったのか…」

 

亞結「あ、いたいた~!」

 

優華「あ、亞結…」

 

亞結「先生から伝言頼まれたから伝えに来たの!」

 

咲「で、伝言?」

 

亞結「うん!今からいう場所に行ってほしいって!えっとね…」

 

~体育館倉庫side~

 

雄弥「ったく…なんでこんなところに用があるんだよ…ん…?」

 

N「下を見ると、ロープが置いてあった」

 

雄弥「ロープ…?…ロープ…ロー…プ…」

 

N「すると雄弥はみるみるうちに顔色が変わり、血相を変えて教室に戻っていった」

 

~屋上side~

 

静「屋上かぁ…ずいぶんと来てなかったような気がするわ」

 

N「ふと静はフェンスに近寄り、下を眺めた」

 

静「…唯愛は…屋上から落ちて死んじまった…ん…?落ちた…?…え、なんで、なんでだよ…どうなってやがる棍畜生がっ!!!」

 

~裏庭side~

 

咲「裏庭…なんもないじゃない…花壇の花も枯れてるし」

 

N「裏庭のすぐそばを、電車が通って行った」

 

咲「アニメイトからの帰り…なにしたのかな…電車で帰った筈よね…電車…線路…」

 

~図工室side~

 

香奈恵「図工室かぁ…ここの高校にあったなんて知らなかった…」

 

N「机を眺めると、一つだけ、赤い折り紙がおいてあり、その上になにか物が置いてあった。」

 

香奈恵「カッターナイフ…?と…ハート…?赤…心臓…?…あ…あぁ!!!!!」

 

~科学実験室side~

 

亮「なんでこんなところにこなければならないんだ。意味がないだろう。だいたい僕がこんなところに来たところですることも何も言われていない

  全くもって無意味な行動だ」

 

N「亮は科学実験室の棚を眺めることにした。そこに、亮がいつも飲んでいる安眠材があった」

 

亮「なんで…こんなところにこれが…かなり量が減っているな。…まてよ、もしかして…」

 

~生物室side~

 

優華「魚…」

 

N「優華は生物室の熱帯魚の水槽を見ていた」

 

優華「前は、みんなで海に行ったのにな…なんで私、あんなこと…

   …確か、あの日も…海に行った…でもどうやって帰ってきたんだろ…」

 

N「水槽中の酸素がボコボコっと音を立てるたびに、おぼれた苦しい感覚がよみがえってきた。

  すると遠くで雄弥の叫び声が聞こえた」

 

優華「…誰か叫んでる…」

 

~大きな白い木side~

 

晴「なんで僕だけ記憶を取らなかったの?」

 

N「話しかけているが、なにも返事もない。姿もなかった」

 

晴「…返事はないってことはあとで教えてくれるんだね。勝手にそう思ってるよ。さて、教室にそろそろ皆くるかな」

 

~教室side~

 

雄弥「お、おい!!!どうなっているんだよ!!!!どうして俺らは生きてるんだ!?」

 

亮「わからん…ずっと調べているんだが…エラーばっかででてこないんだ…」

 

静「どういうことだ…」

 

亮「それもわからない…」

 

晴「ってことは…僕らは皆、何かしらで死んでいるってことでいいのかい?あの日に」

 

香奈恵「なんで…私まだこんなにちゃんと生きてるよ!?ねぇどうなってるのよ!!!!」

 

優華「…雄弥は…ロープでなにを思い出したの?」

 

雄弥「…あの日、俺は親にも見捨てられたんだ。いじめられていたのに全く信じてもらえず…ね。だから首を吊った」

 

香奈恵「私は…母親が急病で亡くなって…それで…思わずそばにあったカッターナイフを胸に刺したの…」

 

咲「アニメイトからの帰りの電車…来る直前に私は身を投げたのよ…。その…アニメイトで唯愛が好きだったキャラがいたから…」

 

静「バイト中…足滑らせて…落下死…した…」

 

亮「…いつも飲んでいる睡眠薬をいつもの10倍で飲んでしまった。それが多分原因だな」

 

優華「皆で海に行ったでしょ?その海を訪れてたの。海に行けば、唯愛に会える気がして…だから、海に入ってった。

   要するに溺死」

 

晴「僕は…火事だよ。夕飯の準備でガスの火が…家に回ってね」

 

優華「皆すでに死んでいる…なのになんで私たちはここに…いるの…」

 

                                                                          to be continueted...

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