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幻想遊園地~始まりの物語~ 《第5話 永遠と変化》

 

メイリア「・・・このままじゃあちょっといけませんねぇ・・・」

メリー「メイリア?どうしたの?」

 

メイリア「ん?あぁ、メリー。うーん・・・いんや。なんでもないよ。ただ、ちょっとこのままではつまらないと思ってね」

 

イル「メイリア。あんた次はなにを企んでんの?」

 

メイリア「おいおいイル、まるで僕が仕組んだみたいに言わないでおくれよ」

 

イル「あっれ?そういう風に聞こえちゃった?私別にそんなつもりは全く無かったんだけどなぁ?」

 

メイリア「いやぁ、悪かったね。僕、最近勘違いが多いみたいで。ホント参ったよ。ねぇ、イル?」

 

イル「そうねぇ?もっとしっかり意思疎通ができるようになれば・・・」

 

フィーラ「イル、そこまで。メイリア、そろそろイルにつっかかるのやめてもらえないかな?見ていられないんだ」

 

メイリア「先に突っかかってきたのはイルの方じゃないのかな?」

 

フィーラ「そうかな?僕にはイルの忠告に突っかかってくるように見えたんだけど?」

 

メイリア「そう思うのなら、申し訳なかったね。けど、それはフィーラ、君だけの意見だろう?それが全てとは限らない」

 

フィーラ「・・・どういう意味だ」

 

メイリア「さぁ?どういう意味だろうね?・・・まぁ、そのうちわかるだろうさ」

 

リリカ「てか、このままではつまらないってどういうこと?」

 

メイリア「今の現状、わかるよね?遊園地なのに、誰一人お客様がこない。

     僕らだけで遊ぶって言っても、さすがに飽きてくると思わないかい?」

 

メリー「飽きる・・・?」

 

メイリア「そう。結局僕ら、人間って飽きっぽい生き物だろ?毎日同じことばかり繰り返していると、そのうち飽きてきて嫌になる。

     だから君たちも仮想遊園地プロジェクトという名の名目を打ち、つまらない人生を変えようとした」

 

スター「た、確かにそうだけどよ・・・。でも俺らが始めたプロジェクトなんだ。飽きるなんてことないんじゃねーか?」

 

メイリア「はぁ・・・。今までの自分の行動を計算してごらんよスター。

     君は某モンスターを出して戦わせるポケモソをどのくらいで攻略しどのくらいでやめた?」

 

スター「シナリオはだいたい1日かからないかな。そこからその他の攻略に2日かけて・・・3日か」

 

ティーパ「さすが・・・。早いな。僕だったら1か月はかかる・・・」

 

スター「おっそ!?」

 

イル「あんたが早すぎんのよ!」

 

メリー「スターはスピード命だもんね!」

 

スター「おうよ!」

 

リリカ「悪く言えば速さしか取柄がないもんねー?あははははは!!」

 

メリー「リリカ!?」

 

メイリア「まぁまぁ。でも、わかっただろう?僕ら人間は飽きっぽい生き物なんだ。さて、計算高いスターに一つ質問いいかな?」

 

スター「お?」

 

メイリア「君が計算して、今のこの生活を繰り返して、もしお客様が来なかったら、あとどれくらいで飽きると思う?」

 

スター「・・・」

 

メイリア「どうかな?」

 

スター「かなり少なく見積もって、1か月」

 

メリー「そんなに早く・・・?」

 

スター「特に、俺とイルとリリカはもっと早いかもしれないな・・・」

 

イル「あー、私もあんたもリリカも飽き性だからなぁ・・・」

 

メイリア「つまり、タイムリミットは1か月。この状況はどうにかしなければいけない。

     だって僕らは、ここから抜け出すことはできないんだから」

 

全員「・・・」

 

N「そう。メイリアたちは皆、フェンスを乗り越え、森を抜けようとしても、
  またフェンスの前に戻ってきてしまうという始末だった。出口からでようとも、それは変わらない結果となっていた」

 

ティーパ「・・・僕はこのままでもいいと思うけどね」

 

イル「・・・なんで?」

 

ティーパ「僕は、変わらない日常がどんだけ大事だったか、こんな非日常な状態に置かれて、やっとわかった気がするから。
     だから、いいと思うんだ。変わらなくても。飽きても、それでも皆と一緒なら、それでいい。」

 

メイリア「・・・そう。それはとてもつまらない考えだね」

 

メリー「メイリア・・・?」

 

ティーパ「・・・そうかも、ね」

 

スター「おいメイリア、言い方ってもんがあるんじゃねーか?」

 

リリカ「私はメイリアと同じ考え!ずっと同じなんてそんなのつまんない」

 

メイリア「まぁ、今日ももう夜が明けてしまう。今日はもう、休もう」

 

メリー「・・・そうだね。それじゃあ、皆。おやすみなさい」

 

スター「おう!おやすみ!!」

 

イル「おやすみ。フィーラ、いこ」

 

フィーラ「・・・うん」

 

リリカ「それじゃあ、おっやすみー!!」

 

ティーパ「・・・おやすみ」

 

N「朝が来ると、この遊園地は動かないことがわかってから、メイリアたちは皆夜型の生活をするようになった。のだが・・・」

 

メリー「・・・?メイリア・・・?どこ行ったの・・・?」

 

~~~***~~~

 

??「・・・へぇ。それで」

 

?「僕もとっても心苦しいんだよ。でも、仕方ないよね?君は永遠を望んでしまった」

 

??「ただそれだけのことでこんな結果になるなんて、思ってもなかったけどね」

 

?「君にしては、よく鳴くじゃないか」

 

??「・・・僕も、感情が欠落しているわけじゃないんだ。恐怖は、感じる」

 

?「へぇ?ま、今となっては、どうでもいいことだけどね」

 

??「・・・最期に一つだけ」

 

?「なんだい?」

 

??「僕はやっぱり・・・」

 

?「・・・そう。やっぱり君は、つまらないよ」

 

~~~***~~~

 

スター「おっはよー!!!」

 

リリカ「朝から相変わらずうるさいねー!!!あはははは!!」

 

イル「リリカも人のこと言えないけどねー?」

 

メリー「まぁまぁ。皆、おはよう」

 

リリカ「あれ?メリー、その口調って・・・」

 

メリー「ん?どうかしました?」

 

イル「マダム・メリーゴーランドの口調だね。なんかあった?」

 

メリー「いーえ?今日からこの口調で統一しようと思いましてね」

 

イル「そ、そう・・・」

 

メイリア「やぁ、皆揃ったみたいだね」

 

フィーラ「・・・ティーパは?」

 

メイリア「あぁ、彼は今日は具合が悪くて、隔離されているよ」

 

リリカ「隔離?なんで?そんなに悪いの?」

 

メイリア「あぁ、熱がとても高いし、咳も嘔吐も酷い。とても起き上がれる状態じゃなかった。薬もこの世界にはないから、

     下手したらもう助からないかもしれない・・・」

 

スター「縁起でもないこというんじゃねーよ・・・」

 

メイリア「まぁ、そういうことですので、隔離させていただいたよ。あぁそれと!お見舞いといって、

     彼の部屋を訪れることも禁止にしますからね」

 

リリカ「そういえば、今日のお客様は?」

 

メイリア「よくぞ聞いてくださったリリカ!今日はなんと・・・女性のお客様が一人!」

 

イル「・・・え?」

 

スター「うそ・・・だろ?」

 

メイリア「嘘なわけないでしょう?ほら、初のお客様ですよ?さぁ、皆さん!開園時間ですよ?

     準備はできてます?安全チェックは?いつでもお客様を迎える準備をしてくださいね?いいですか?」

 

フィーラ「なんで急に・・・お客なんて・・・」

 

メリー「さぁ皆、しっかり準備して?お客様がいらっしゃりますよ」

 

メイリア「皆さん、開園時間です。今日も一日楽しみましょう!それでは・・・」

 

全員「Let's Wonder Land」

 

~~~***~~~

 

リネラ「くーるくーるくるくるくるーっ・・・ふふっ」

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